念願の
Rollei35Sを手に入れました。
言わずと知れた、たまゆらの主人公ぽっての愛機。
ガチファンとしては是非手にしたい、と思いながらも、今更フイルムカメラを使うのもなあ…となかなか手を出せずにいました。2代目愛機のD610はわりとあっさり買ったのにね。
とは言え、D610を入手して4年、カメラの使い方・写真の撮り方も少しずつスキルアップ。サブ機としてX-T20を手に入れ、広角~標準ぐらいの単焦点レンズで街中を撮るのにも慣れてきました。
今ならRolleiを手に入れても何とか使いこなせるのでは…? と思い立ち、マップカメラやヤフオクの出品を眺めることひと月ほど。4月の初めに、マップカメラに整備品が入荷したのを見つけ、思い切って入手しました。
取り扱い
説明書はケンコーイメージングプロフェショナルのサイトにありました。元々は復刻版のRollei35 Classic用のようで、細部は違いますが大筋はこれで問題なし。それと参考にしたのはサンライズカメラのRollei35紹介記事。
露出計に使う電池は、本来はMR-9という型のものですが、アダプターを使えば今でも売っているSR-43が使えます。別途購入しなきゃ…と思ってたら、購入品についてきたのでラッキー。
本当に久しぶりにフイルムを購入し、裏蓋をスライドして開けて装填。ストラップは付属していなかったので、三脚穴に取り付けるストラップを購入。
手にしてみると、実にコンパクトなサイズなのにずっしりとした質感。まさに金属の塊。
操作系はある意味でとても分かりやすいです。ISO値とフイルムタイプ(白黒・カラー等)を装填したフイルムに合わせたら*1、露出計を見ながら左右のダイヤルでシャッタースピードと絞りを決め、焦点距離を推測するだけ。カメラの基本となる要素は全て詰まっています。
露出もフォーカスもマニュアルなのが不安でしたが、実際やってみると何とかなりました。
まず露出については、そもそも室内向きのカメラではないですから、屋外の日中の撮影条件だけ覚えておけばまずまず簡単です。一般にEV12~15ぐらい。
太陽光の強さを見ながら、SS 1/60、絞り8(これでEV12)ぐらいからあたりをつけていけばすぐに適正露出が得られます。X-T20で、絞りとSSをダイヤルで合わせるのに慣れてたのも好都合。
フォーカスのほうは、まずF11ぐらいまで絞ればそれなりに被写界深度が広がるので大外しはしにくくなります。とはいえ、やはり距離感覚をつかむのが重要そう。そもそも、最短撮影距離が90cmぐらいなので、自分の手が届く範囲はフォーカスが合わない、ということにしばらく経ってから気づきました。
自分の腕の長さ(約70cm)とか畳の長辺(1.8m)とかを基準にして、被写体との距離を推測して合わせるのが良さそうです。それでも開放撮影とか近距離撮影とかは運ゲーですがw
作例
コロナ禍でなかなか遠出しにくい昨今ですが、赤レンガ倉庫〜大さん橋〜山下公園近辺を散歩しながら撮ってきました。
40mmという画角は好きですね。広すぎず狭すぎず、フットワーク次第で構図を作りやすいです。D610でも35mm/F1.8を好んで使ってます。*2
そういえば、XマウントにXF27mm(フルサイズ換算41mm) F2.8というパンケーキレンズがあることを思い出しました。これを借りてRolleiと撮り比べてみるのも面白そう。
アーチが切れてるのが残念。周囲に余裕を持った構図にするのがよさそうです。
続いて東の聖地・横須賀市汐入へ。
露出が全般にオーバー気味だったり水平が取れてなかったりですが、でもなんだか楽しい。
感想
現代のカメラやスマホのように、撮り手の意図を機械が補完してうまく撮ってくれるのも勿論良いのですが、全てのパラメタを自分の意思で設定して撮るのも面白いものです。
それから色合いがとてもノスタルジック。X-T20のフイルムシミュレーションに、彩度低め・コントラスト強めのClassic Chromeというのがあって結構好きなんですが、まさにそういう色が出てきます。
勿論フイルム次第ではあるので、それこそ例えばVelviaを使えば鮮やかな色彩が得られるのでしょうが、このカメラにはこの色合いが合っているように思います。hitotoseキービジュアルの場所の写真など、スマホ等で何度も撮った場所なのに、改めてRolleiで撮ったものを見ると何故かぐっときます。
ヨドバシ(バックエンドはフジフイルム)の同時プリントでCDに画像データを焼いてもらいましたが、画像サイズは1840×1232。D610やX-T20は2400万画素なのでざっくり両辺1/3以下、粒状感ありありな画像なのですが、L版で見るには十分です。
なにぶんランニングコストはデジカメとは比べものにならないほど高いですし(1枚100円ぐらいかな?)、撮ってすぐには結果が分からないので撮影技術へのフィードバックが遅れます*3。しかしながら、被写体を見つけ出し、構図を決めて、パラメタを選んで慎重にシャッターを切るところまで、1枚1枚に時間を掛けて撮るというRolleiでの撮影体験は、デジカメとはまた違った良さがあります。
デジカメと併用しながら、Rolleiでの撮影をゆったりと楽しんでいきたい。コロナ禍が収束したら、竹原の風景をRolleiで撮りに行きたいですね。